ギンランとユウシュンランの見分け方

   ユウシュンランはギンランの変種であるとする説が大勢ですが、両者には明確な違いがあります。 ギンラン(左)とユウシュンラン(右) ギンラン(左)とユウシュンラン(右) 以下、その相違点を挙げてみました。

@ 地上部の高さ  ギンランが大きいものは30cm近くなるのに対して、ユウシュウランはせいぜい10数cmです。
A  ユウシュンランの方は、1〜2枚で、小さく、膜質で、いかにも貧弱です。
 ギンランは、3〜5枚の葉をつけます。大きくて、革質で、縦じわがあり、濃い緑をしています。
 一見して、光合成する能力は、格段にギンランが優れていると推測できます。
B 花の数  花の数は、ユウシュンランは普通2〜3個で、多くても5個どまりです。また、小さな株でも最低1つの蕾をつけます。
 ギンランは、平均的には5個前後の花をつきますが、多いときは10数個の株もあります。 小さい株では、1個の花しかつけないこともあり、逆に、相当大きな株でも、花をつけないこともあります。
C 花の咲き方 ギンランの花は、花柄子房を180度捻って横向きになり、唇弁は下位になります。 しかし、ほとんど開かず、僅かに唇弁が覗く程度です。
 ユウシュンランの方は、お互いの唇弁をつき合わすようにして、上向きに咲きます。そして、ギンランと比べると、良く開くのも特徴のひとつです。
D 菌への依存度 ラン、特にキンラン属は、菌への依存度の高い植物です。 なかでも、ユウシュンランはギンランよりもずっと依存度が高く、腐生ランに近い性質をもっているようです。
 先にAで書いた葉の違いも、そのひとつです。
 もうひとつ、ユウシュンランは小さな株でも最低1つは花を咲かせることです。つまり、地上に現れるのは、光合成するためではない。花を咲かせ、実をつけるためです。 それまでは、地下で菌に頼って養分を蓄えているわけです。

2012/6/16

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