コオロギランの自生地は常緑広葉樹林?

 「常緑広葉樹林の林床に生える」と、手許の「野生ラン」(家の光協会発行)には書かれています。 ところが自生の様子を写した写真の説明には、「スギの落葉の中からポツポツと顔を出す」と説明があります。 常緑広葉樹林にスギが生えていてもいいし、スギ林に常緑広葉樹が混ざっていることも良くあることです。 しかし、コオロギランの自生環境の記述としては納得がいきません。
 私の見た自生地5箇所のうち4箇所はスギの植林で、スギ以外の木は1本もないと言っても良い状態でした。  横倉山 (高知県) は自然林らしく、スギのほかに低木の常緑広葉樹も相当な密度で生えています。当然、広葉樹の落葉もあります。
 しかし、コオロギランは広葉樹の落葉は避けて、スギの落葉の間から茎を伸ばしていました。 常緑広葉樹林内には生えない、といったら語弊がありますが、 コオロギランはスギの落葉の中に生える、と断言しても良いと思うのですが、どうでしょうか。

2006/10/23

コオロギラン、杉林でないところにもある!

コオロギランは、命名者である牧野博士ゆかりの横倉山が唯一の自生地だ、と一昔前は言われていました。
常緑広葉樹林。雨で暗かった。 常緑広葉樹林。雨で暗かった。 小さなコオロギランの周りは、広葉樹の広い葉っぱばかり。杉の落ち葉は、まったくない 小さなコオロギランの周りは、広葉樹の広い葉っぱばかり。杉の落ち葉は、まったくない。
今では、私がしっているだけでも、5箇所はあります。
 それは、杉林です。水田や畑であったところに杉を植林したところも、2・3箇所あります。ですから、コオロギランは杉林にのみ生える。少なくても、杉の落ち葉が積もっている場所に生える。そう思い込んでいました。
 ことろが、今年の9月、土佐植物研究会の例会で案内してもらった、コオロギランの自生地は、私の「常識」を覆すもので、今年一番の大事件でした。
 「ここでは周辺には全くスギは無く、ほとんどがウラジロガシ,シロダモ,アカガシ,ヤブニッケイ,ハイノキ,アセビ,シキミ,ヒサカキなどの常緑広葉樹である.」( 土佐植物研究会のニュースレター
 この自生地は、あまり広くはなく、コオロギランの株数も少ないようです。 しかし、これからは「杉の落ち葉がないないところにもある」という観点から探してみたら、存外あるかも知れません。

2012/10/23

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