杉林に棲むランたち -地生ラン-
近くの山といえば「杉林」です。私が子供のころはに家の近くの山=里山は雑木林でしたが、今はもうその姿はほとんど残されていません。 炭焼き窯がわずかに形をとどめている。今は杉林であるが、杉は炭焼きの材料にはならないので、ここは雑木林であったはず。 炭焼き窯がわずかに形をとどめている。今は杉林であるが、杉は炭焼きの材料にはならないので、ここは雑木林であったはず。 氏神様を囲む木々も杉になっています。神社を建て替える際の費用に当てようと、鎮守の森を杉の植林にしたそうです。ガスが燃料となったので、薪をとったり、炭に焼く雑木はいらなくなり、里山に杉の苗を植えました。 田畑の耕作をやめるとき、そこにやはり杉の苗を植えました。
山での仕事がなくなると、家屋敷をすてて町にでたのです。 数十年たった今、薄暗い杉木立に囲まれて住人なき家屋敷が廃墟のように自然に還ろうとしています。 杉木立に囲まれた廃屋。ここはコオロギランの自生地になっている。 杉木立に囲まれた廃屋。ここはコオロギランの自生地になっている。
この杉林を住処としているランの仲間が意外と多いように思います。雑木林を奪われてしかたなく杉林に居を構えたかというと、そうでもない。 そこはランたちを満足させる条件が備わっているように思えます。
同じ針葉樹の檜はあまりじめじめした場所には適さず、杉は逆にそんな所が良いそうです。湿度が高いことは、ランにとっては好条件であるはずです。杉は生育がはやいこともあってか、四国では断然杉の植林が多いようです。
杉の落ち葉は檜のように細かくならず、また広葉樹の葉のようにぺたっとくっつきあうことがありません。十分な空気を含んだ厚い層ができるのです。
杉林に自生するランはこの落ち葉の層に根を張っており、多くの場合、根を地中にまで伸ばしていないようです。
私が四国で見た地生ラン81種類のうち34種類が杉林に自生していました。
・・・・杉林に自生しているもの 種名はそのページへリンクしています。 | ||
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