ウチョウラン、1粒160万円也

 ウチョウランは、大豆ほどの球根から春に芽を出し、 夏に花を咲かせ、晩秋には地上部は枯れます。

その間に、新しい球根を作りますが、もとの球根はなくなります。 新しい球根が2個できれば、毎年、2倍に増えます。1個しかできなければ、もとの1株のままです。 不幸にして新しい球根ができなかったら、終わり。
 ところで、この大豆ほどの球根が、1粒160万円の価格がついた、など信じられますか。 「自然と野生ラン(1988年9月号)」の「ウチョウラン250種価格ランキング」を見ると、 トップは国紅(こくべに)で160万円台となっています。
 今では、人工交配で自然界にはなかったような珍しい花が作られています。 夏になると、量販店に千円前後で大量生産されたウチョウランの鉢が並んでいます。 それでも野生の株は採られています。「山採り」というだけで人工交配のものより高値がつくそうです。
 自然界のなかから良いものを選抜して優秀な品種を残していくのが、農耕民族。 羊などの牧畜を生業をする民族は、交配の繰り返しによって良い品種を創り出す。
 チラッと聞いた話ですが・・・ 千円もあれば見事な花が手に入るのに、命がけで岩壁の株を採ろうとするのは、農耕民族の血が駆り立てるためでしょうか。 洋ランの世界でもやはり、「山採り」が幅を利かせているようで、中南米やアジアの遠い外国に遠征する日本人がいるらしい。

2008/8/8

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