ユリとランの果実 - 似てるが・・・

ウバユリ。上の方はタネが3部屋に積み重なっている。下はタネを飛ばした後で空っぽ。 ウバユリ。上の方はタネが3部屋に積み重なっている。下はタネを飛ばした後で空っぽ。  ラン科はユリ亜綱に属しますので、ユリ科とは一番近い仲間で、ギボウシなどの果実はランのそれに良く似ていますが、 タネの飛ばし方はちょっと違うようです。

 ユリの果実は縦に3箇所割れて、先端は大きく開いていますが、横側の裂け目には網が張られています。ここから風が入ってタネを上に吹き上げる仕組みになっています。
 ウバユリのタネは薄っぺらで果実の中に3つに分かれて積み重ねられていますから、横風を受けて舞い上がるのには好都合です。
 もし、まだタネの残っている果実を見つけたら、網目のところから息を吹きかけてみてください。タネが上へ舞い上がるはずです。


 ランの方はというと、 クロヤツシロラン(左上)、ウスキムヨウラン(右上)、カゲロウラン(左下)、シュンラン(右下) クロヤツシロラン(左上)、ウスキムヨウラン(右上)、カゲロウラン(左下)、シュンラン(右下) 先端が閉じたままです。
横側に縦に、6つの割れ目ができて、そこからタネを飛ばします。
 しかし先端は決して離れませんので、ランの果実はラグビーボールのような形を崩すことはありません。 ランは子房上位の花で、この先端部分は3枚の萼と3枚の花弁が付いていたところです。

 「6つの割れ目」といいましたが、カヤランは一箇所だけ割れます。
 また、ツチアケビやショウキランなどのように裂けないものもあります。

2008/12/17

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