和名 ギンラン 銀蘭 花色の白を金蘭と比較して銀にたとえた。
学名 Cephalanthera erecta (Thunb.) Blume
分布 北海道、本州、四国、九州、伊豆諸島。外国では、ヒマラヤ〜中国、台湾、朝鮮半島、千島列島。
生態と形態 暖温帯〜冷温帯の広葉樹林に生える。キンランと同じ場所に生えることも多いが、比較的冷涼な場所を好む傾向がある。
3〜6枚の葉をつけ、花期の高さは5〜30(〜40)cmとなる。
花は1〜10個(花をつけない株もある)、ほとんど開かず、わずかに唇弁が覗き見られるぐらいである。 花色は全体として白色であるが、唇弁には橙色の隆起線がはいる。 ▼ 花の形態をみる。
@=背萼片
A=側萼片
B=側花弁
C=唇弁
D=蕊柱
E=距
F=花柄子房

萼片と側萼片は、7〜9o、蕊柱を囲んでいる。
全体が白色であるが、唇弁には赤褐色の模様が入り、後部は距となる。
花は殆ど開花せず、結実する(写真のように咲くのは極まれ)。

花期 5〜6月


2008/5/11

ここには38株が群生していた。近くにはキンランも数株花を咲かせていたが、両方が交じり合うことはない。

唇弁をわずかでも覗き見ることができれば、ギンランの開花である。 これ以上開くのを期待していると、花は終わってしまう。

2019/5/13

このように咲いた花を見る幸運に出会う。20年以上も写真を撮り続けているが初めてだ。

2008/5/11

たった1つの花をつけた株。大きな株はたくさんの花をつけ、小さなものは花数は少ない。 しかし、ここでは花をつけない株は1つも見当たらなかった。すべて花を咲かすために地上に現れたのだと思う。


2009/4/25

出始めのころは、ユウシュンランのような膜質の葉をつけたものもある。


左=2009/9/16、右=2010/3/31

果実期、右はタネを散らした後の殻


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ギンラン、群生

 神社の近くにギンランが群生していました。 38株のギンランの群生 1坪ほどの所に38株のギンランの群生していた。 一坪かそこらの広さの場所に38株を数えることができました。  小さいもので10cm、大きいものは31cm。1つだけ花をつけた小さい株も幾つかありましたが、花をつけていないものは注意してみても1つもない。
 数メートル離れたところにキンランも花を咲かせていました。その数、7株。これもすべて花を咲かせていました。
 4年前(2004年)にキンランを見つけて以来、毎年ここに来ていますが、ギンランに気づいたのは今年がはじめてです。
 キンランとギンランは花時も一緒であり、場所も数メートルしか離れていません。 キンラン目当てにすぐ側の道を何回となく通っているのにどうしてギンランには気づかなかったろうか。
葉っぱは2・3枚で、花はたったの1つだけの株もある。 葉っぱは2・3枚で、花はたったの1つだけの株もある。  何年も地下で養分を蓄えて、今年いっせいに花開いた、ということかもしれません。

 ギンランは小さな株でもすべて花をつける性質があるようです。小さなものでは、葉っぱは2・3枚で花はたったの1つだけというのもあります。  逆にいえば、地上には現れて葉っぱで光合成するよりも、地下にこもって菌の助けを借りて養分を蓄える、 そして花を咲かすときにだけ地表に姿を現す戦術をとっているように思えます。

2008/5/13

追記:2018/7/9
ここ数年、ここにはギンランが一株も見られない。 今年は、10m近く離れた草むらの中に、数株あった。 キンランの方は、前と同じように花を咲かせている。

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