和名 ハシナガヤマサギソウ 嘴長山鷺草
距を鳥の嘴にたとえて、それが長い特徴をとらえたもの。
学名 Platanthera mandarinorum Reichb. f. subsp. mandarinorum
var. mandarinorum

分布 本州(西部)、四国、九州。外国では、中国。
生態と形態 暖温帯の、日当たりの良い草地(とくに石灰岩地)に生える。
茎の下部に広線形の葉を4〜6枚つけ、花期の高さは20〜50cmとなる。
花は淡黄緑色で、5〜20個つける。 距は長さ25〜35mmで、水平に後方に伸びる。
距が極端に長いことで、変種関係にある マイサギソウ(11〜18mm)および ヤマサギソウ(7〜12mm) と区別ができる。 ▼ 花の形態をみる。
@=背萼片
A=側萼片
B=側花弁
C=唇弁
D=距
E=蕊柱

背萼片は、5~7o。
側萼片は、8〜12o。
側花弁は、ほぼ同長、上方に付きだす。
唇弁は、9〜13o、後ろへ反って下垂する。
距は、25〜35oと長く、後方へ水平に伸びることが多い。

花期 5〜6月


2013/5/25

 日当たりの良い笹原で花を咲かせていた。周りの笹や雑草に紛れて、根元のほうは見えない。

変種関係にあるヤマサギソウやマイサギソウが6月後半に咲き始めるのに対して、この花は5月に咲く。花期が相当早いことも特徴のひとつである。

 距が極端に長がく、25〜35mmもある。ヤマサギソウの距の長さが7〜12mm、マイサギソウが11〜18mmであるから、その差は顕著である。( 日本のラン ハンドブック @ 低地・低山編 を参照)
 また、距はほぼ水平に伸びて、マイサギソウのように上方に向かって伸びることはない。

距は、長く、水平に伸びる。長さは、優に35mmあった。


2012/5/31

 花は、もう、くたびれ始めていた。変種関係にあるヤマサギソウやマイサギソウは、時期まだ蕾の状態のはずである。


ヤマサギソウ類3変種、距で見分ける

 

 ハシナガヤマサギソウ、マイサギソウ、ヤマサギソウは
変種の関係にあるが、距の形で見分けることができる。

ハシナガヤマサギソウ
距は、
長さ25〜35mmで、
くねくね曲がりながら、
ほぼ水平に伸びる。

マイサギソウ
距は、
長さ11〜18mmで、
くねくね曲がりながら、
上に向かって伸びる。

ヤマサギソウ
距は、
長さ7〜12mmで、
弓なりになって、
やや下向きに伸びる。

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