ヤマサギソウ類3変種、距で見分ける
ハシナガヤマサギソウ、マイサギソウ、ヤマサギソウは
変種の関係にあるが、距の形で見分けることができる。
ハシナガヤマサギソウ
距は、
長さ25〜35mmで、
くねくね曲がりながら、
ほぼ水平に伸びる。
マイサギソウ
距は、
長さ11〜18mmで、
くねくね曲がりながら、
上に向かって伸びる。
ヤマサギソウ
距は、
長さ7〜12mmで、
弓なりになって、
やや下向きに伸びる。
和名 ハシナガヤマサギソウ 嘴長山鷺草
距を鳥の嘴にたとえて、それが長い特徴をとらえたもの。
学名 Platanthera mandarinorum Reichb. f. subsp. mandarinorum
var. mandarinorum
分布 本州(西部)、四国、九州。外国では、中国。
生態と形態 暖温帯の、日当たりの良い草地(とくに石灰岩地)に生える。
茎の下部に広線形の葉を4〜6枚つけ、花期の高さは20〜50cmとなる。
花は淡黄緑色で、5〜20個つける。
距は長さ25〜35mmで、水平に後方に伸びる。
距が極端に長いことで、変種関係にある
マイサギソウ(11〜18mm)および
ヤマサギソウ(7〜12mm)
と区別ができる。
▼ 花の形態をみる。
@=背萼片
A=側萼片
B=側花弁
C=唇弁
D=距
E=蕊柱
背萼片は、5~7o。
側萼片は、8〜12o。
側花弁は、ほぼ同長、上方に付きだす。
唇弁は、9〜13o、後ろへ反って下垂する。
距は、25〜35oと長く、後方へ水平に伸びることが多い。
花期 5〜6月
日当たりの良い笹原で花を咲かせていた。周りの笹や雑草に紛れて、根元のほうは見えない。
変種関係にあるヤマサギソウやマイサギソウが6月後半に咲き始めるのに対して、この花は5月に咲く。花期が相当早いことも特徴のひとつである。
距が極端に長がく、25〜35mmもある。ヤマサギソウの距の長さが7〜12mm、マイサギソウが11〜18mmであるから、その差は顕著である。(
日本のラン ハンドブック @ 低地・低山編
を参照)
また、距はほぼ水平に伸びて、マイサギソウのように上方に向かって伸びることはない。
距は、長く、水平に伸びる。長さは、優に35mmあった。
花は、もう、くたびれ始めていた。変種関係にあるヤマサギソウやマイサギソウは、時期まだ蕾の状態のはずである。