和名 ヒメフタバラン 姫双葉蘭
学名 Neottia japonica (Blume) Szlach.
従来、フタバラン属 Listera japonica Blume としていたが、
サカネラン属へ含める説に従った。
分布 本州、四国、九州、琉球列島、伊豆諸島。外国では台湾、朝鮮済州島。
生態と形態 常緑広葉樹や針葉樹の林床に生える。
茎は、断面が四角形で、頂部に、三角状長卵形の葉が2枚、対生状につく。
花を咲かす株は、茎の頂部から、花茎を伸ばし、花期の高さは5〜15(〜30)cmとなる。
花は2〜6個、淡紫褐色であるが、変異があり、薄緑一色のものは品種としてミドリヒメフタバランと呼ばれる。
また、葉の模様の目立つものを品種としてフイリヒメフタバランと呼ぶ。
2枚の葉が対生しているように見えることから、フタバラン(双葉蘭)とよばれている。
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この姿を、「茎の中ほどに、2枚の葉が対生する」と表現することがある。
@ 先ず、対生についてである。
ラン科の葉は、互生するのが普通で、基本であるから、対生しているように見えるが、
厳密には互生しているのではないか、との疑問がある。
いや、対生しているように見えるから「対生」でいいじゃないか、見えるままを表現するのに、なにも問題はないとも言える。
中を取って「対生状」と書いた書物もある。
A 次に、茎の中ほどに葉が付いているというのは良いだろうか。
正確には、茎の頂部に2枚の葉が付いている、というのが、正確ではないだろうか。
というのは、花を咲かせない幼い株は、葉から上部はない。
花を咲かせる株だけに、葉の付け根から花茎が伸びて、花をつける(葉はつけない)。
だから、それは花茎と呼ぶべきであって、茎の延長ではない。
花期 3〜5月。四国では4月(早い所でも3月下旬)から。
広葉樹林を流れる、小さな谷川の岸の落ち葉の中に、点々と生えている。
葉の中央の主脈が白い個体もある。
まだ、蕾の状態。
開花しない未成熟の株には、葉から上はない。
開花株では葉が茎の中程に付いているように見えるが、葉から上は花茎である、と考えるべきか。
また、2枚の葉が対生しているように見えるが、互生している葉の付け根の間隔が短い結果である。
果実
この個体には、花も茎もほとんど赤紫色はない。
花の色は、薄緑の地に赤紫色が入るが、その濃淡に変化がある。
杉の植林の中に生えていた。
まだ、蕾の状態。
果実
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