唇弁が上になる
ヒメノヤガラの花は、唇弁が上になっていることを知ったのは、昨年のことです。 手元の図鑑に「唇弁は上に位置し・・・」と書かれているのを読んで、あらためて撮りだめした写真を見直した次第です。しかし、この花は筒状であまり開きませんし、小さい上に薄茶色一色ですから、その構造はわかりにくい。 よそ様のホームページやブログなどを検索しても、はっきりと解る写真は見つかりません。 私の撮ったのも例外ではありません。
日本のランで、唇弁が上になるのは珍しく、ほかには ホザキイチヨウランと ヤクシマネッタイランの仲間(属)だけではないでしょうか。 世界的にみても、唇弁上位の種は少ないようです。 「世界のラン科植物」を開いて、ぜひご覧下さい。
唇弁が上になる状態を「倒立」を書いた図鑑も見ますが、人間が逆立して唇が鼻の上になるのとは、わけが違います。 むしろ、この方が「もとの姿であり、基本的形態だ」といっても良いと思います。なぜ、唇弁が下になるように進化したのか、考えてみるのも面白いですね。
2012/8/28