撮影が大変です。花が地味で小さいので、なかなかピントをが合いません。
その上、花茎は細長く、少しの風でもゆらゆら揺れます。シャッター速度をはやくしたい。暗いので絞込みを犠牲にするしかない。
探すのにも苦労しましたが、一枚ある葉を頼りにするのが良いように思います。
ただし、花をつけるのは、5・6株に1つぐらいの割合でした。
葉の裏面は紅紫色です。これを黒子に喩えてヒトツボクロと呼ぶのではないでしょうか。
和名 ヒトツボクロ 一つ黒子 裏面が紅紫色を帯びる一つ葉を黒子(ほくろ)に例えたのではなかろうか。
学名 Tipularia japonica Matsum.
分布 本州、四国、九州。外国では、朝鮮半島(南部、済州島)。
生態と形態 冷温帯〜暖温帯の落葉広葉樹林やアカマツ林に生える。
地中に球茎が新旧連なり、新しい球茎の基部から1枚の葉をだし、上部から花茎をだす。
葉は、卵状楕円形、表面は光沢のある深緑色、中脈に白線がはいり、裏面は紅紫色を帯びる。
花茎は、細く直立して、花期の高さは20〜30cmとなり、上部に紫褐色の花を5〜15個下向きにつける。
花期 5〜6月。四国では5月下旬から。
杉の植林に生えていた。細い花茎は、わずかな風にも大きく揺れるので、周囲をビニールの膜で囲って撮った。
全部の花が下向きに咲く。
ヒトツボクロは赤松の林が好みらしい。この写真にも松の落ち葉が散らばっている。
葉が1枚だけで、花茎が2本あるので、1株から2つでているように見えるが、2株がくっ付きあっているのだと思う。
それじゃ、なぜ葉が2枚ないのかとなるが、開花期に葉がなくなっているのは良くあることだ。
手元の図鑑には「花序あたり7〜15個の花をつける」とあるが、この株は20個にちかい花を咲かせていた。
ヒトツボクロは結実率が良いようである。ポリネータ―らしきものが花に止まっているのを見たことはない。あるいは自家受精か。
葉は一枚だけで、裏面は紅紫色を帯びる。黒子(ほくろ)に見えないこともない。