和名 コケイランモドキ 小尢幕[ コケイランに似て非なるもの。
学名 Oreorchis coreana Fine
なお、Kew WRLD CHECKLISTでは、
Oreorchis patens(コケイラン)の異名とされているが、賛同できない。

分布 本州、四国、九州のごく一部にまれに見れる。
1908年に、韓国(済州島)原産に基づき記載されたものであるが、近年になり、日本での自生が発見 された。従って、日本での分布域は広がるものと思われる。
生態と形態 コケイランと比較して、次のような特徴がある。
唇弁は、 短く、幅広で、先端部が扇のように拡がって、波打っている (コケイランは、細長く、両側が波打っている)。 唇弁の基部に板状の隆起がある (コケイランは縦2列の隆起がある)。
側萼片は、短く先端が丸みを帯びている。(コケイランは長く披針形で先端が尖っている。) また、横に水平に広がっているが、コケイランは「八」の字形に斜め下に伸びている。
は、長楕円形に近い。(およそ、幅はコケイランの2倍以上、長さは半分以下)
花期 7月。 コケイランより1カ月以上開花が遅い。
参考文献・サイト Oreorchis coreana (Orchidaceae), A New Addition to the Flora of Japan


2017/7/9

萼片や唇弁が短いので、花全体がコケイランに比較して小ぶりである。

唇弁は、短く、幅広で、先端部が扇のように拡がって、波打っている。

花期まで葉が残ることはまれである。4株のうち、1株に残っていた。
コケイランが線形であるのに対して、コケイランモドキは長楕円形に近い。

コケイランとの違いは?

コケイランと比較して、次のような特徴がある。

左=コケイラン 5月24日撮影
右=コケイランモドキ 7月9日撮影
左=コケイラン 5月24日撮影、右=コケイランモドキ 7月9日撮影
花期が一カ月以上遅い。コケイランモドキが開花している時期には、コケイランは果実期を迎えている。
したがって、コケイランモドキを探すのは、コケイランの開花期が終わった頃が良い。
左の写真で、コケイランは5月24日撮影であり、コケイランモドキは7月9日撮影である。
●花は全体として、コケイランモドキの方がやや小ぶりである。花茎は高いが、花数は少ない傾向がある。

左=コケイラン、右=コケイランモドキ
@背萼片 A側萼片 B側花弁 C唇弁 D小側裂片
左=コケイラン、右=コケイランモドキ
@背萼片 A側萼片 B側花弁 C唇弁 D小側裂片
唇弁は、短く、幅広で、先端部が扇のように拡がって、波打っている。コケイランは、細長く、両側が波打っている。
唇弁の基部に、板状の隆起がある。コケイランでは、縦2列の隆起がある。
側萼片は、短く先端が丸みを帯びている。コケイランは長く披針形で先端が尖っている。
また、横に水平に広がっているが、コケイランは「八」の字形に斜め下に伸びている。

左=コケイラン、右=コケイランモドキ 左=コケイラン、右=コケイランモドキ は、コケイランが線形であるのに対して、コケイランモドキは長楕円形に近い(およそ、幅は2倍以上、長さは半分以下)。
ただし、両種とも、花期には、葉が消滅している場合が多い(花期の後に、新しい葉が出る)。

2017/7/10

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