小さなコオロギランを大きくしてみると・・・
@ 全体像
小さな葉が1枚だけで、光合成の能力は弱い。花は1〜4個で、下から上へと順に開花。最初の花がしぼみ、2番目が開花中。3番目は2番目がしぼむ頃に開らく。
A 花を正面から見る。
唇弁は円形で、直径4mm程度。前半分の縁には細かい鋸歯がある。
B 唇弁の付属体と蕊柱のクローズアップ
(イラストは牧野博士作図の一部)
唇弁の基部の付属体は、上下2枚に分かれ、さらにそれぞれが左右に裂けている。
柱頭のすぐ下に細い突起がある。蕊柱の中ほどにも二股の突起がある。
C 花を横から見る。
蕊柱にある2つの突起や側萼片が確認できる。
D 花を下から見る。2つの側萼片が確認できる。
2つの側萼片がはっきりと判る。
葉(=普通葉)は1枚だけで、長さ3〜5mm。
苞(=苞葉)もほぼ同じ大きさです。
葉の大きさや数から推測して、光合成の能力は非常に弱いと思われます。
花は1〜4個で、下から上へと順に開花しますが、同時に2つ開花することはほとんどありません。
写真@の場合、最初の花がしぼみ、2番目が開花しています。3番目は2番目がしぼむ頃に開きます。一番上の蕾はひじょうに小さく、開花せずに終わる可能性もあります。
萼片は細長い披針形です。側萼片は唇弁の裏側にあって、正面からは唇弁に隠れて見えません。
花弁(=側花弁)も背萼片とほぼ同じ形、大きさです。
唇弁は円形で、直径4mm程度。前半分の縁には細かい鋸歯があります。
唇弁の基部には付属体があります。これは上下2枚に分かれ、さらにそれぞれが左右に裂けています。
蕊柱は長さ3.5mm程度です。柱頭のすぐ下に細い突起があります。ひじょうに細いが、写真Cではどうにか確認できます。
蕊柱の中ほどにも二股の突起がありますが、このほうは写真でもよく判ります。
写真Cは、横から撮ったもので、側萼片や蕊柱の突起が確認できます。
写真Dは、下から見上げるように撮ったものです。2つの側萼片が唇弁の裏側にあるのが確認できます。
2013/9/8