夏、花茎の折れたマヤラン
花を咲かすことも、実を結ぶこともできなかったこのマヤランは、余力をふりしぼって、秋にもう一花咲かそうとしたのでしょう。
2005/9/29
和名 マヤラン 摩耶蘭 摩耶山(神戸市)で発見されたことに因む。
学名 Cymbidium macrorhizon Lindl.
分布 本州(関東地方以西)、四国、九州、琉球列島、伊豆諸島。外国では、パキスタン〜ヒマラヤ、インドシナ、中国、朝鮮半島。
生態と形態 山地の湿度の高い林床に生える。菌寄生植物であるが、花茎は薄緑色をしており、果実の表面も緑色であるから、
葉緑素を含んでいて、光合成もしていると思われる。
枝分かれした地下茎から、数本(〜数十本)の花茎が地上に伸びて、高さ5〜30cmとなり、上部に2〜5個の花をつける。
群生することもあるが、近くに出ている花茎は地下茎が繋がっている可能性が強い。
花は、白地に紫紅色の模様がはいるが、変化がある。
▼ 花の形態をみる。
@=背萼片
A=側萼片
B=側花弁
C=唇弁
D=蕊柱
花被片は、白地に赤紫の模様が入るが、個体差が大きい。
萼片は、長さ19〜26o。
側花弁と唇弁は、長さ12〜20oで蕊柱を囲む。
花被片は、白色で、赤紫の模様がはいるが、個体差は大きい。
側花弁は、萼片の2/3ほどの大きさで、同形同色。
唇弁は、乳白色で、紫褐色の模様が入る。
蕊柱は、長さ約15o。
花期 6〜10月。二度咲き(夏と秋)する株もある。
参考文献・サイト 共生菌からみたマヤランの不思議な暮らし(遊川知久)
マヤランは、腐生植物で葉はない。夏に、いきなり地上に花茎が現れて、花を咲かす。
開花期は、主として夏であるが、このように秋に咲くこともある。
白地に赤色の模様が入る。赤白の二色であるが、その模様には変化がある。
左端は、出たばかり。成長するに従って、右の姿に変わる。
果実期。
マヤランは、いわゆる腐生植物であるが、この時期、花茎も果実も葉緑素を持っていて、光合成をしている。
果実は割れて、タネを飛ばしている。
夏、花茎の折れたマヤラン
2005/9/29
左はヘッカラン、右はマヤラン
誰かが悪戯して手折った花茎を落ち葉の間に突き刺したのでは、と一瞬思うはずです。2005/9/29
2009/7/2
左はヘッカラン、右はマヤラン
誰かが悪戯して手折った花茎を落ち葉の間に突き刺したのでは、と一瞬思うはずです。2005/9/29
2019/4/1