和名 ミヤマフタバラン 深山双葉蘭
学名 Neottia nipponica (Makino) Szlach
従来、フタバラン属 Listera nipponica Makino としていたが、
サカネラン属に含める新しい説に従った。
分布 北海道、本州(中部以北)、四国、九州
生態と形態 冷温帯の針葉樹の林床に生える。四国では、ごく一部の高い山に限られる。
茎(花茎を含む)は、赤紫色をおび、細長く20〜25cm、中ほどに2枚の葉が対生状につき、
上部に5〜10数個の花をつける。
2枚の葉が対生しているように見えることから、フタバラン(双葉蘭)とよばれている。
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四国には、フタバランと名のつくものが、本種の他に、アオフタバランやヒメフタバラン、
コフタバランが自生している。
これらに共通した形態を、「茎の中ほどに、2枚の葉が対生する」と表現することがある。
@ 先ず、対生についてである。
ラン科の葉は、互生するのが普通で、基本であるから、対生しているように見えるが、
厳密には互生しているのではないか、との疑問がある。
いや、対生しているように見えるから「対生」でいいじゃないか、見えるままを表現するのに、なにも問題はないとも言える。
中を取って「対生状」と書いた書物もある。
A 次に、茎の中ほどに葉が付いているというのは良いだろうか。
正確には、茎の頂部に2枚の葉が付いている、というのが、正確ではないだろうか。
というのは、花を咲かせない幼い株は、葉から上部はない。
花を咲かせる株だけに、葉の付け根から花茎が伸びて、花をつける(葉はつけない)。
だから、それは花茎と呼ぶべきであって、茎の延長ではない。
花期 7月〜8月
ミヤマフタバランは、四国では、ここにしか無いという。
「フタバラン」と呼ばれているものは、このほか、アオフタバランやヒメフタバラン、コフタバランが四国には分布するが、
本種は特に珍しいものだ。
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この山は、とびぬけて高い訳ではないが、登山口から標高差にして1000mほども険しい道を歩いて登る必要がある。
だから、体力がいる点では、四国で一二を争う山であり、自生地はその頂上に近い場所にある。
2012年の夏、友人の案内でその頂上を目指し、幸運にも、この花に出会えることができた。
実は、前年にもその友人を登る予定で、前の日から登山口近くで車中泊をしていたが、夕方から雨が降り出し、朝には更にひどくなっていた。
友人はそれでも登ろうとしていたが、私は、とてもじゃないが・・・、ということで中止したことがあった。
2012年は、天気は上々(薄曇りであったが、暑さが凌げてかえって良かった)、頂上まで登り、開花時期もピッタリで、良い写真が撮れた。
下山のときは、疲れ切って、足がつりだして、一緒に登った友人に迷惑をかけた(女性二人づれも一緒になり、4人になっていた)。
今は、足腰がさらに弱ったから、もし友人に誘われても、断らなければならない。