和名 オオバヨウラクラン 大葉瓔珞蘭
学名 Oberonia makinoi Masam.    ただし、ヨウラクラン O. japonica (Maxim.) Makino の異名とする見解もある。
 また、O. variabilis Kerr を採用するものもあるが、 この学名の種は日本のオオバヨウラクランとは異なるとする説(野生ラン 家の光協会発行)がある。
分布 和歌山県、伊豆諸島、四国、九州、琉球。
生態と形態 樹や岩に着生する。常緑性。
 叢生して、多数の小さな根をだして樹皮にくっつき、茎や花茎は垂れ下がる。 葉は肉質、扁平で2列に互生し、密生して重なり合う。
 茎の頂部から花茎をだして、多数の小さな花を段々に輪生して長い花序をつくる。
花期 7月〜8月。 ヨウラクランより1ヶ月以上花期が遅い。


2010/8/6

鬱蒼とした森のなかのモミジの樹幹についていた。陰のためか、葉の緑が濃いようだ。

周りのマメヅタに負けなければ良いが、ちょっと心配。

ヨウラクランとの相違点

 8月6日に撮影したオオバヨウラクランは、私が初めて出会ったものです。 ヨウラクランと区別する一番のポイントは、花が咲いている時期だということを教わりました。
 ヨウラクランの花期は、手元の図鑑では4〜6月となっていますが、実際に私が撮影した写真の日付も5月15日前後です。 7月にはヨウラクランの花は終わり実になっているはずです。
 私が見たオオバヨウラクランがもし7月半ばから咲いていたとしても、ヨウラクランより2ヶ月も遅れて咲くことになります。
 決め手は開花期
 それぞれの地域でヨウラクランよりずっと遅い時期に花を付けているのを見つけたら、「オオバヨウラクランだ!」と喜んでもよさそうです。
 幸いにしてそのオオバヨウラクランらしき株が近寄れる位置にあれば、さらに観察を続けることができます。

 オオバヨウラクランの名の由来である葉の大きさですが、手元の図鑑には「ヨウラクランに比べ葉は幅広くて数が少なく、」 葉の幅は、ヨウラクランの「2〜5mm」にたいして、オオバヨウラクランは「6〜7mm」もあると書かれています。 私が見たものも正確な数字はわかりませんが、見慣れているヨウラクランと比べると格段に大きいことは確かです。なお葉の数が少ないというようには見えませんでした。

 花で見分けるポイントは唇弁の形です。オオバヨウラクランの唇弁は「長さ、幅ともに約2mm、側裂片は中央裂片に比べ小さくて先が鈍く、 中央裂片はわずかに2裂状で、全体として扁円形となる」と図鑑に記載されています。 ヨウラクランの方は側裂片の先が尖り、唇弁全体として縦長の楕円形に近くなります。
 なお、「ヨウラクランの中央裂片は3裂するが、オオバヨウラクランの方は2裂状である」とは言えないように思います。 どちらも2裂状で、切れ込みの深さに変化がある(ヨウラクランでも切れ込みの浅いものがある)、とするのが良さそうです。
 なお、ここで参考にした図鑑は、 カラー版 野生ラン(家の光協会出版) です。

2010/8/8

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