和名 ヤクシマヒメアリドオシラン 屋久島姫蟻通蘭
アリドオシランに姿が似た所はあるが、花はまったく異なり、別属である。
学名
Kuhlhasseltia yakushimensis (Yamam.) Ormerod.
従来、Vexillabium yakushimense (Yamam.) F.Maek.とされていた。
分布 本州(長野県、奈良県)、四国、九州、沖縄。外国では、中国、台湾、フィリピンなど。
▼ もっと見る。
高知県植物誌を見ると、ハクウンランの項目があるがあって、5か所の自生地が載っているが、ヤクシマヒメアリドオシランは出ていない。
つまり、高知県には、ハクウンランはあるが、ヤクシマヒメアリドウシランは自生していない、ということになる。
もう一度高知県植物誌のハクウンランの項目を見ると、「唇弁がY字型あることからヤクシマヒメアリドウシランである」という(相原・山本2005)との記載がある。
私は全面的にこの説に賛成である。
高知県植物誌にハクウンランの自生地とし載っているU村でヤクシマヒメアリドウシランを数株見たが、これは明らかにY 字型の唇弁をしており、ハクウンらしき株は見つからなかった。
また、「ハクウンランを見た」という話を聞いたこともない。高知県(四国も)に自生するのは、すべてヤクシマヒメアリドウシランである、と自信を深めている。
生態と形態 常緑樹の林床に生える。夏緑性。
茎は高さ10cm以内で、下部に数枚の葉を上部に1〜3個の花を咲かす。
▼ 花の形態をみる。
@=背萼片
A=側萼片
B=唇弁
C=側花弁
D=蕊柱
E=距
背萼片(約7o)と側花弁(約4o)は、頂部に集まって兜状になって蕊柱を覆う。
側萼片(約7o)は、横に開く。
唇弁(約8o)は、先端部が大きく割れてY字型になる。
花期 6月〜8月