和名 ヨウラクラン 瓔珞蘭 花序を瓔珞(数珠を連ねた首飾り)にたとえた。
学名 Oberonia japonica (Maxim.) Makino
分布 本州(宮城県以南)、四国、九州、琉球列島、伊豆諸島。外国では朝鮮半島、台湾、中国福建省。
生態と形態 暖温帯〜亜熱帯の樹幹や枝、岩に着生する。
茎は、多肉質、扁平な葉を2列に2〜5対つけて、垂れ下がる。
花茎は茎の頂部からでて垂れ下がり、多数の花が段々に輪生する。 花が花序の先端から咲き始める特徴がある。
花期 4〜6月


2007/5/18

日本のランの中では、一番小さな花だそうであるが、拡大すると構造が良く判る。


2005/10/8

果実期。ヨウラクランは小さいながら沢山の花を咲かせるが、果実になるのは、少ない。 といっても、花が全部果実になっても、困るだろう。


2019/5/18

すぐ近くの田圃の縁の柿の木に、いつの間にやら大きな株が育っていた。 山に入ってもなかなか見つからないが、人家の近くで出会うことが多い。

オオバヨウラクランとの相違点

 ヨウラクランと区別する一番のポイントは、花が咲いている時期だということです。
 ヨウラクランの花期は、手元の図鑑では4〜6月となっていますが、実際に私が撮影した写真の日付も5月15日前後です。 7月にはヨウラクランの花は終わり実になっているはずです。
 私が見たオオバヨウラクランがもし7月半ばから咲いていたとしても、ヨウラクランより2ヶ月も遅れて咲くことになります。
 決め手は開花期
 それぞれの地域でヨウラクランよりずっと遅い時期に花を付けているのを見つけたら、「オオバヨウラクランだ!」と喜んでもよさそうです。
 幸いにしてそのオオバヨウラクランらしき株が近寄れる位置にあれば、さらに観察を続けることができます。

 オオバヨウラクランの名の由来である葉の大きさですが、手元の図鑑には「ヨウラクランに比べ葉は幅広くて数が少なく、」 葉の幅は、ヨウラクランの「2〜5mm」にたいして、オオバヨウラクランは「6〜7mm」もあると書かれています。 私が見たものも正確な数字はわかりませんが、見慣れているヨウラクランと比べると格段に大きいことは確かです。なお葉の数が少ないというようには見えませんでした。

 花で見分けるポイントは唇弁の形です。オオバヨウラクランの唇弁は「長さ、幅ともに約2mm、側裂片は中央裂片に比べ小さくて先が鈍く、 中央裂片はわずかに2裂状で、全体として扁円形となる」と図鑑に記載されています。 ヨウラクランの方は側裂片の先が尖り、唇弁全体として縦長の楕円形に近くなります。
 なお、「ヨウラクランの中央裂片は3裂するが、オオバヨウラクランの方は2裂状である」とは言えないように思います。 どちらも2裂状で、切れ込みの深さに変化がある(ヨウラクランでも切れ込みの浅いものがある)、とするのが良さそうです。
 なお、ここで参考にした図鑑は、 カラー版 野生ラン(家の光協会出版) です。

2010/8/8

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