ホザキイチヨウランは360度捻ってもとに戻る
ヤチラン属の外国種。花柄子房は捩じれず、唇弁上位のまま。ヤチラン属の外国種。花柄子房は捩じれず、唇弁上位のまま。
オオヤマサギソウ。花柄子房を180度捩じって、唇弁下位となる。オオヤマサギソウ。花柄子房を180度捩じって、唇弁下位となる。
ホザキイチヨウラン。花柄子房を360度捻って、もとの唇弁上位に戻る。ホザキイチヨウラン。花柄子房を360度捻って、もとの唇弁上位に戻る。
ホザキイチヨウランの特徴の1つは、唇弁が上になることです。
世界では約400種、日本では8種あるというヤチラン属の共通点だそうです。しかし、ホザキイチヨウランのかわっているのは、唇弁を上にするために花柄子房を360度も捩じっていることです。
唇弁が上になるか、下になるかは、花柄子房が捻じれるか否かにかかっています。
@ まったく捻じれずにストレートにいけば自然と唇弁は上になります。左の写真では一番上がそうです。これはホザキイチヨウランと同じ属Malaxisの一種です。
A ラン科の花で一番多いのは唇弁が下になるものですが、唇弁を下にするためには、花柄子房を180度捩じる必要があります。二番目の写真オオヤマサギソウを見れば、花柄子房の捻じれが良く分かります。
B ホザキイチヨウランのように花柄子房を360度捻じると、当然元の位置に戻ってしまいます。結果は、@の唇弁をまったく捩じらない場合と同じ唇弁上位となります。
手許の図鑑には、7種のヤチラン属が載っていますが、唇弁上位という点では共通しています。ホザキイチヨウラン以外は、花柄子房をまったく捻らないストレート形の唇弁上位のように見えます。 ホザキイチヨウランだけが360度捻って、仲間に調子を調子を合わせているわけですから、ひねくれ者と言って良いかどうか。
2008/7/28