横道派、ムカゴサイシン発見

 10人ぐらいのグループで二軒しかない山里から、いざこれから登ろういう時のこと。 そのうちの一軒の主人が出てきて、ぜひ案内したい所がある様子。
 そこで、植物調査という本来の目的に添ってまっすぐ山頂を目差す者と地元男性の誘惑で横道にそれる者と、 グループは二派に分かれて進むことになり、私は後者に加わりました。 もと生姜畑にムカゴサイシンがあった。ただしこの写真で見つけるのは不可能。 横道派は、足元の草を掻き分け掻き分け目的地に着いたのですが、期待していたほどではありませんでした。
 がしかし、そこでムカゴサイシンを見つけたのです。 昨年10月、ムカゴサイシンの葉っぱは写真に撮っていました。(このランは花と葉の時期が違う。) 今年は花をものにしようと1週間ほど前に、 何時間も車に乗って行ったのですが、影も形もなかった。その花がここで見つかったのです。
  恩人であるご主人の話では、ここは生姜畑だったそうです。 今は杉の植林ですが、竹の方が優勢になっています。先人が何百年もかけて切開き耕作してきた土地が、いまムカゴサイシンの住処になっています。
 山里の周りには至る所にこんな場所があり、そこには絶滅危惧種というランも生えています。 ランにとっては失地回復かもわかりませんが、ヒトの食料の将来は心配ないでしょうか。

2006/6/1


追記:その後、ムカゴサイシンの自生地はあちこちにあり、そんなに珍しいランではないことがわかってきました。
 探すのは、花の時よりも葉っぱが出ている時期の方が良いようです。

2009/1/11

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