和名 イイヌマムカゴ 飯沼零余子
江戸時代の植物学者飯沼慾斎が、ムカゴソウと呼んだが、別のムカゴソウと区別するため、この和名がつけられた。
学名 Platanthera iinumae (Makino)Makino
トンボソウ属 Tulotis iinumae (Makino) H.Hara とする説もあった。
分布 北海道(南部)、本州、四国、九州、伊豆諸島。日本固有種。
生態と形態 山地の林縁や林床に生える。
茎の中ほどに大きな葉を2〜3枚つけ、花期の高さは20〜40cmとなる。 葉は長楕円形で、縁がやや波打つ。
茎の上部に小さな淡緑色の花が多数密について長い花序をつくる。 距は透明感のある白で、雫がついているような感じである。 ▼ 花の形態をみる。
@=背萼片
A=側萼片
B=側花弁
C=唇弁
D=距
E=蕊柱
F=花柄子房

背萼片は、約2o、側萼片はやや長く、側花弁はその中間ぐらいの長さで、頂部に集まり兜状になる。
唇弁は、約2o、下垂する。
距は、1〜1.5o、丸まった形となる。
唇弁と距はともに白色で良く目立つ。

花期 7〜8月


2011/7/31

イイヌマムカゴが、杉林の中に、群生していた。

茎の中程につく2枚の葉は、縁が小さく波打っている。

唇弁と距が白っぽい。水滴が垂れ下がったような距を見れば、イイヌマムカゴだと判定できる。


2015/7/19
2019/7/15

イイヌマムカゴといえば、標高の高い深山に生えるもの、とばかり思っていたが、人家の近くのスギの植林の山道の側で偶然見つけた。周辺を探してみたら7株ほどあった。

2019/8/8

果実期。3週間ほど経ってきてみると、見事に結果していた。ポリネーターらしきものは見られなかったのに、すべて結実したのは自家受粉によるものだろうか。


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