2005/5/17
和名 クマガイソウ 熊谷草 袋状の唇弁を、熊谷次郎直実の背負った母衣に見立てた。
学名 Cypripedium japonicum Thunb.
分布 北海道(南部)、本州、四国、九州、伊豆諸島。外国では、朝鮮半島南部、中国東部。
台湾に分布するタイワンクマガイソウは、別種
Cypripedium formosanum Hayata
とされる。
生態と形態 落葉広葉樹、杉などの林床に生える。
地下茎を長く伸ばして拡がり、群生する。
地下茎の節から地上に茎をだし、頂部に2枚の大きな葉を対生状につける。
葉は扇形で、放射状に多数の脈と襞ができる。
茎頂から花茎が伸びて、1(まれに2)個の花をつける。
唇弁は、袋状で、白色に淡い赤紫色の模様がある。
この模様がない品種をキバナクマガイソウという。
▼ 花の形態をみる。
@=背萼片
A=側萼片
B=唇弁
C=側花弁
D=蕊柱
E=子房
背萼片は、長さ約4p。
側萼片は、長さ約4p、完全に合着して1枚になって下垂する。(「下萼片」と呼ぶべきか。)
唇弁は、長さ約5p幅約3pの袋状である。
花期 4〜5月
春いっせいに地上に現れる。杉の植林に群生することが多い。
果実
冬が近づくと地上部は枯れ始める。
二つの花を付けるものもある。
果実期
クマガイソウの暮らしを見る
最初から 全部見るこれらの写真の原画は友人から提供を受けました。この自生地は盗掘のためすでに絶滅したとのことです。
現在では四国内で、キバナクマガイソウの自生地は確認できていません。
普通のクマガイソウの唇弁に見られる赤紫の模様はなくて、花全体がごく薄い黄緑色をしている。
開花から日にちが経過するに従って、黄色が薄れて白花に近くなる。
2005/5/17
自生地 A | 自生地 B | 自生地 C | 自生地 A+B+C | |
a 地上茎の数 (2u当たり) | 95 | 75 | 103 | 273 |
b a の内、花をつけなかったもの | 33 | 28 | 56 | 117 |
c a の内、花をつけたもの | 62 | 47 | 47 | 156 |
d c の内、結実したもの | 15 | 7 | 2 | 24 |
結実率 (d/c) | 24% | 15% | 4% | 15% |
2008/7/29