和名 ムヨウラン 無葉蘭
菌寄生植物であるので、光合成する葉がないことによる。
学名 Lecanorchis japonica Blume var. japonica
分布 本州(岩手県以南)、四国、九州、琉球列島、伊豆諸島。外国では、朝鮮半島南部、中国南東部、台湾。
生態と形態 暖温帯〜亜熱帯の広葉樹林やスギ林などに生える。
菌寄生植物で、まったく葉緑素を待たない。
花茎は高さは(20p〜)ほぼ30p(〜50p)となり(この属の中では、比較的大型)、上部にややまばらに3〜10個の花をつけ、
花は斜開〜平開して、咲きそろうことが多い。
(この属の他の種は、ほとんど開かないものや、開いても数個ある花のうち、一個だけ開くという性質がある。)
花色は、黄褐色が普通だが、変化に富み、
赤味の強いものや
紫色がかったものがある。
▼ 花の形態をみる。
@=背萼片
A=側萼片
B=唇弁
C=側花弁
D=蕊柱
花被片(唇弁を除く)は、ほぼ同長さで、15~20o。
唇弁は、匙状で先端部で3裂する。
花期 5〜6月
参考文献・サイト
・日本産ムヨウラン属の検討(橋本保 1990)
・愛知県のムヨウラン類(芹沢俊介 2005)
山奥の神社への参道の傍に生えていた。ここは、植林もなく、鎮守の森の雰囲気が残されている。
果実
少し離れた神社の境内で、朽ちかけた、大きな杉の倒木の傍に、生えていた。
ムヨウランの暮らしを見る
最初から見る ここでは、毎年相当数の株が見られるが、その中の一株は赤紫色の花をつけていた。
愛知県のムヨウラン類(芹沢俊介 2005)には、
「花色にも変異があり、通常は淡褐色であるが、紫色や緑色を帯びることもある」と書かれている。
すぐ隣には、普通の色(淡褐色)の花をつけている株(右)もあった。